児玉 裕三
神戸大学大学院 医学研究科 内科学講座 消化器内科学分野
教授
患者生体試料リソースプラットフォームの構築と運用
難治がんの予後を改善するためには、がんの形成を予測し、予防あるいは超早期の診断を行うことが必須です。しかし、これまでの研究は進行がんに着目されたものが多く、患者由来の前がん病変あるいは超早期がんのプロファイルはほとんど明らかにされてきませんでした。
本研究では、超早期病変から進行がんに至る様々な段階の難治がん患者より臨床データや各種のサンプルを集積し、プロジェクト内において共有可能な生体試料のリソースバンクを構築しています。また、神戸大学では膵がんの早期発見を目指すなかで、精緻な内視鏡技術を用いた前がん病変・超早期がん・進行がんの組織採取、さらにはそれぞれの病変からのオルガノイドの樹立を行なっています。これらの臨床サンプルの統合解析により、がんの予防、診断、および治療コンセプトの創出を目指します。