慶應義塾大学 医学部
  先端医科学研究所 遺伝子制御部門
  准教授

  🔗researchmap

  🔗研究室HP

幹細胞、細胞死、細胞老化の視点からの生体内微小環境ネットワーク解析

 がん幹細胞はがんの大元となる細胞であり、幹細胞性の維持には細胞自身の自己複製能に加えてがん微小環境(ニッチ)との相互作用が重要であることが知られている。鉄依存性細胞死(フェロトーシス)は近年同定された鉄イオンやラジカルを介して生成される過酸化脂質の過剰な蓄積によって誘導される酸化的細胞死である。最近の研究から、がん細胞自身あるいはニッチを介したフェロトーシス抵抗性が、がん幹細胞性の生存や維持を促進していることが分かってきている。本研究では、とくに難治性がん動物(マウス)モデルを用いて生体内におけるフェロトーシス制御機構を明らかにし、がん幹細胞と微小環境ネットワークの理解を深めるための研究を行う。最終年度には、がんの超早期にフェロトーシス抵抗性ニッチの形成を検出可能なバイオマーカーや標的治療の開発を目指す。