神戸大学 大学院医学研究科 質量分析総合センター/疫学分野
  准教授

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オミックス解析基盤の構築・多階層統合解析共有プラットフォームの構築と運用

 近年、がん細胞自身の性質に加えて、炎症ががん細胞の増殖のみならず、浸潤・転移の大きな要因になっていることが明らかになり、炎症が与える影響を考慮せずしてがんの問題は解決できない。炎症状態や前がん組織では細胞代謝に著明な変化が生じており、これまで水溶性代謝物に関する研究が先行して実施されてきた。一方、脂質代謝物には炎症制御・組織修復を担う生理活性物質が含まれ、がん超早期病態に関与している可能性が高い。そこで我々は超早期がん患者由来の検体・オルガノイドを用いた包括的脂質代謝物解析を行ない、炎症状態を示すバイオマーカーの発見や炎症特異的代産物の変動パターン(炎症プロファイリング)の確立、炎症からがんへの進行過程での代謝産物変動及びがん特異的に変化する代謝産物パーン(がんプロファイリング)を確立して、超早期がんの早期診断法を開発する。更には、炎症からがんへ移行する代謝変化を明らかにし、がん進行のメカニズム解明に迫ることを目的とする。